体外離脱(OBE)とは

TOPページ

体外離脱とは、一種の変性意識状態で、通常は肉体からの強い分離感を伴い、肉体とは異なる身体を使って物理的な現実とは異なる(霊的な)世界で活動することを言います。ですので普通は肉体を動かそうとしても動かすことは出来ません。逆に新しい霊的な身体を動かすことはいとも簡単に出来てしまいます。明晰夢・覚醒夢・透視と同質のものではありますが、体外離脱状態では肉体からの強い分離感を伴ったり、肉体とは異なる身体をはっきりと動かし使っているという感覚があるため、明晰夢・覚醒夢・透視の発展版・強化版といってもよいでしょう。

私がこの体外離脱状態を経験したのは1985年のことでした。ちなみに私は中学生のころから所謂金縛りと呼ばれる経験をすることが多かったのですが、金縛りは非常に恐ろしい体験なのでいつもそれを必死に解こう解こうと努力していました。金縛りになると何か途方もない力が働き「このままいくと死んでしまうのではないか?」という感覚にいつもなったからです。

しかし体外離脱状態をはじめて経験したときは、「もう金縛りになってもいいや。」「もうあきらめよう。死んでもいいから。」と思ってこの金縛り状態を完全に受け入れたときでした。するとなにか身体が移動するような感覚を伴い、真っ暗で何も見えず地獄の底に突き落とされるかのような感覚になりました。まるで高層ビルの電気の消えたエレベーターに閉じ込められ、まっさかさまに落ちていくような感覚になったのです。このときは「もうだめだ。やばい。おれは死ぬんだ。」と感じ、今まで生きてきた中では一番怖い思いをしたのを覚えています。

そして一番下に落ちた瞬間、何も見えず真っ暗でしたが自分の身体が雲のようにどーと流れているような感覚がありました。落ちた瞬間はなにか自分の肉体から魂が無理やり、はがされるような感じになり、自分の魂が肉体にとても執着しているんだということがはっきりと解りました。なにか住み慣れた自分の家を未練がましく出ていくような、つよい執着の感情を覚えたのです。このように体外離脱状態はよく臨死体験とつながる現象と解釈されることもあります。ちなみにチベット密教では体外離脱のことを二アデス(臨死体験)とも呼んでいるということです。

その後は、体外離脱状態になるときはいつも(身体の外に出るため)非常に強いエネルギーを感じ、身体の内と外がひっくり返るような異常な感覚を伴って、身体の外へ出て行くということを繰り返しました。体脱の初期のころはいつも死ぬ覚悟をして外の世界へ行っていました。たとえるとスカイダイビングやバンジージャンプをするような感覚といってよいかもしれません。また逆説的ですがあるひとはこのような体験を一種の喜悦・エクスタシーと感じる人もいます。同じ体験が、あるひとにとってはとても恐ろしいものとなり、あるいひとにとってはこの上もない喜びともなるのです。私も今では体外離脱状態になるときは相変わらずとても強いエネルギーを感じますが、それに慣れてきたため、恐怖心を感じることはなくなりました。どちらかといえばとても面白い体験をするため非常に興奮しわくわくするとった感じです。

最初に外に出たときは、何も見えなかったのですが、次の体外離脱からはいろいろと面白い経験をしました。2番目に体外離脱したときは、意識で身体を上方に移動させるように意図した瞬間に、身体が等速度で上のほうに上昇していくのが感じられました。なにか本当に自分の身体が上に移動していく感じがリアルにしたのです。そして数秒間,上に移動したかと思った後、ぽーんと天井のようなものにぶつかる感覚があり、こんどは跳ね返って素早くするすると下に落ちていきました。下につくとどうやら、自分の寝室の床のようなところに着陸しました。はじめはよく見えなかったのですが、よく見ようと思い視力に意識を集中すると、周りの光景がカラーで見えてきました。ベッドやカーペットの床、玄関、机なども見えてきました。歩こうかなと思うと、ちゃんと歩けますし、足の裏が床に触れる感覚もあります。ただちょっと現実の光景と違い、本来あるべきものがなかったり、少し現実とは違うものもありました。

そして、しばらく窓の外の光景を見たりしていると、何か「ふー」と空気の振動のような音とエネルギーの感覚を感じながら、少し小柄の男性と思しき人が素早くこちらに近寄ってきました。そしてはっきりと「いまから17人の人間があなたを訪れます...」と言いい残し、その後またスーと離れていきました。そしてそのあとしばらくして肉体に戻りました。そのときふと「これって、ひょっとして守護霊かなにかなのかな」という思いがしました。しかしそのときはメッセージの意味はよくわかりませんでした。今思えば多分この空気の振動のようなものは私の注意を引き、同時にこちらの恐怖心を抑えるような作用があるのではないかと思っています。不思議とそのひとにびっくりしたり、違和感・恐怖感を感じることはありませんでした。

その後のたくさんの驚くべき霊的世界を旅する経験をしましたがこれが最初の私の体外離脱の体験でした。